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1748～1827 |
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| 江戸中期から末期にかけての漢詩人。 本姓は「菅波」と発音。名は晋師、字は礼卿、通称は太仲。茶山と号した。 寛永元年、備後（広島県）神辺に生まれた。家は、代々儒者であった。 幼少から書を好み、詩を作り、十九歳の時、備中の西山拙斎とともに京都に上り、那波魯堂に従って学び、佐々良斎・中山子幹・中井竹山・篠崎安道等と交遊し、帰郷の後、家事を弟に託し、塾を開いて教授した。 その塾が黄陽山に対していたので、「黄葉夕陽村舎」と名付づけたが、山陽、南海地方の人が多く来て学び、その後、卿校となるに及んで「廉塾」と改めた。 福山候が江戸にあって大学頭の林述斎と談話したとき、話題が詩の論に及び、述斎の「方今海内の詩は菅茶山の右に出るものがない」との評を聞き、しかも、茶山が自分の領内の人であることを知り用いようとしたが、茶山はそのとき病を理由に辞した。 そこで、福山候は俸五口を与え優遇し、濡員に準じ、時々諮問に応ぜしめた。 茶山の人柄と学識から生徒は年々増加し、藩は年々金を給したが、茶山はあえてこれを私用せず、みずからの生活は極力質素にきりつめ、塾田を買って藩に納め、その入租で堂宇を建て、書籍を買い、塾師採用の資とした。 茶山は骨格たくましく、角顔で頬が高く、老いては朱顔白髪、人に接してはきわめて温和謙遜、一見好々爺のような感じを与えたが、その内面には非常に強いものを持ていた。 郷里ではその名が次第に高くなり、江戸にあっても諸侯が競って引見した。また昌平黌の儒官柴野・尾藤・古賀の三博士から諸藩の学者に至るまで交わりを結び、中でも安芸の頼春水・杏坪兄弟と特に親しく、毎月音信を交わした。 文政六年大目付に進み、前後三度俸を加えられて三十口となった。 文政十年八月十三日、没した。 享年八十歳。 『黄葉夕陽村舎詩集二十三巻』のほか。『文稿』『和歌集』『福山志『福山志料』などの著書がある。
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1789 ～ 1863 |
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1827 ～ 1877 |
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| 明治維新の元勲。名は隆盛、幼名隆永。幼字小吉、長じて吉之助お称し、後に善兵衛、さらに吉兵衛と改めた。 南州は号。大島配流のときの変名は菊地源吾、大島三衛門といった。 薩摩藩士。 文政十年十二月、鹿児島城下加治屋町に生まれた。 少年の頃から読書に志し、藩校造士館にはいってから陽明学者伊藤茂衛門に 『近思録』、『伝習録』 を学び、斎藤一斎の 『言志録』 を読み、大久保一蔵 (後の利通) などど大いに学問思想を練磨した。 無参禅師について善の修業をしたのもこのころである。 十七歳で郡方書役として出仕。嘉永四年斉彬が藩主となってから、その偉器を認められ、藩政の改革に従事。安政元年、有能者でなければ登用されない、側近にあって密事にも与る御庭番となった。 斉彬に従って江戸に出で、水戸の名士藤田東湖に会い、大いに得るところがあった。 安政四年、将軍継嗣問題が起こり、斉彬の命を受け、一橋慶喜の擁立に奔走し、幕政の改革をも図ろうとしたが、井伊直弼が大老となり、いわゆる安政の大獄が起こり、身辺すこぶる危険となったので、親友の勤王僧、月照を伴って帰国しようとしたが、月照の隠匿の不可能なことがわかり、あい抱いて鹿児島湾に身を投じた。このとき南州は蘇生したが、月照はついに死亡した。 薩摩は、幕府に対して南州も死亡したと偽り、身がらを大島に移した。 島にあること三年、すでに尊王討幕の機運が熟し、大久保らの計らいもあって召し還され、藩主の名代島津久光に随行して東上したが、途中自由行動をとり、先に上京したので、尊攘過激派と通謀したと疑われて久光の激怒を買い、徳之島に流され、のち沖永良部島に移された。 その後赦されて帰り、また上京を命ぜられ、軍賦役に任ぜられた。 このときから明治戊辰に至るまでが南州の最もめざましい活躍時代であった。 まず大久保利通・小松帯刀らと協力して一藩を指導し、長州征伐には参謀となって総督徳川慶勝に従い、長州藩を謝罪させて撤兵したが、そののちは薩長提携と討幕の運動に向かい、英国公使パークスの鹿児島来航に際しては、幕府の親仏政策に対抗するため薩英提携の約を結んだ。 その一方、坂本竜馬を介して、長藩の木戸孝允らと会見し、薩長連合の密約を結び、幕府の第二次長州征伐には反対し、その出兵の命令を拒否した。 幕府では将軍家茂が薨じ、慶喜が後をうけて征長の軍を撤退させ、朝廷では孝明天皇が崩じて明治天皇が践祚された。 このとき薩・長・土 (土佐) ・芸 (安芸) 四藩の連盟が成り、薩長二藩に討幕の密勅が下ったので、南州は藩主忠義を奉じて大軍を率いて京都に入った。 ついで王政復古の大号令が発せられ、新政府の組織の大網が示された。 時に慶応三年 (1867) 十二月九日であった。 翌明治元年、幕府の旗本及び会津、桑名両藩の反抗により鳥羽・伏見の開戦となったが、幕府は敗走し、慶喜は逃れて江戸に還った。 朝廷は慶喜以下旧幕の重臣の官職を奪い、征東の大詔が下された。 隆盛は東征大総督の参謀として東下し、幕臣勝安芳と会談して江戸城を平穏裡に開城させ、さらに彰義隊の乱、東北戦争を平定した。 その後、東京に上がって参議となり、親兵を指揮、また廃藩置県を断行した。 ついで近衛都督・陸軍大将となり、征韓論を主張し、自ら遣韓大使として韓国に赴き問罪に当ろうとしたが、岩倉具視・大久保利通・木戸孝允らに反対され、職を辞して郷里に帰った。 帰京の後私学校を創設して子弟を教育し、国家有事の際に備えた。 このころ、江藤新平の佐賀の乱、熊本の神風連の乱、長州の前原一誠の萩の乱が相続き、政府は南州の動向に対して深く警戒し、薩藩出身の警部らに命じてその身辺を探索させた。 その間、南州暗殺のうわささえ立つに至ったので、私学校生徒は大いに憤激して、十年二月、南州を擁して兵をあげた。 まず熊本城を包囲したが、陥落させることが出来ず、各地に転戦して利あらず、退いて鹿児島に逃れ、城山に包囲され、九月二十四日岩崎谷の洞中で自刃した。 時に五十一歳。 南州は見識遠大・人格高潔、近世における英傑として高く評価されている。 幕末から明治維新の転換期にかけて新国家の基礎を固めた功績は非常に大きい。 十年の、いわゆる西南の役によって、死後反徒として賊名を負うことになったが、明治天皇は南州の心事を憐れみ、その大功を評価し、罪を赦して正三位を追贈された。 南州の事跡の評価に関しては 『大西郷全集』 三巻のほか、『大西郷書翰』、『南州翁逸話』 などによく述べられている。
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1789～1858 |
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| 江戸時代後期の漢詩人。名は卯、字は伯兎、後、名を孟緯、字を公図と改めた。 一の字は無象、新十郎と称した。 天谷、百峯、老竜庵等の号が有るが星巌はその出生地美濃（岐阜県）安八群曽根村の西?方杭瀬川明星巌による。 寛政元年の生まれ。 七歳の時同村の花渓寺にはいって大随和尚に学んだ。十二歳の時、父母を失い深い悲しみ会い、享和三年、十五歳で家を弟に任せせ、遊学の為に江戸に赴き、古賀精里、山本北山に師事し、いったん帰郷、文化七年、再び北山の門に学んだ。 当時神田お玉が池に大窪天氏が江湖社を開き、各地の詩客を集めていた。星巌もその中の一人であったが、その中でも詩才に優れ、人は皆天稟と称した。天民は清逸淡白で、『詩経』の国風に類したが、星巌は温潤濃厚で、大雅、小雅の風があった。星巌は範を唐詩にとったが、天民は宋・元にも及んだ。 これより先、星巌は妻の紅蘭を連れ、各地を優遊して詩想を練ること二十年、天保五年江戸に帰り、江湖社を尋ねたが、天民は既に没し、社屋は火災にかかり、なにも残っていなかった。 そこで星巌は、近傍の地を買い、お玉が池を開き、玉池吟社と称した。 大勢の門弟が集まり、大いに隆盛となったが、弘化二年社を売って京都に去り、鴨川の畔に住し、鴨世人は「日本の李白」と称した。その作るところは、古雅清奇の趣に富んで風骨が有り、しかもどんなに踏みにくい韻でも、どんなに難しい題でも自由にこなした。 沂小隠と称して、吟詠して一人楽しんだ。 安政五年閣老間部詮勝が幕名によって京に上り、攘夷論者を捕らえようとしたとき、憤慨して詩二十五首を作り、幕府の政道をなじったが、病に冒され、この年九月二日、七十歳で没した。 没後幕府は星巌を攘夷論者のリーダーとして、妻紅蘭を窮問したが、まもなく釈放した。 門下で詩人として名高いものに、大沼枕山・遠山雲如・小野湖山・森春濤・岡本黄石・鱸松塘・江馬天江などがいる。 著書に『星巌集』二十六巻、『春雷余響』十二巻、『梁川星巌全集』全五巻などが有る。『星巌集』は広瀬淡窓の『遠思桜詩抄』、管茶山の『黄葉夕陽村舎詩』、頼山陽の『山陽詩抄』等とともに、江戸期に於ける自家詩集の注目すべきものである。
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1830～1859 |
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| 江戸末期の勤皇家。 名は矩方、字は義卿、また子義、松陰はその号、別に二十一回猛士とも号した。通称は初め虎之助、後に寅次郎と改めた。 天保元年八月、長州 (山口県) 萩の東松本村に生まれた。 父は杉百合之助。 六歳の時、叔父吉田大助の養子となり吉田氏を称した。 吉田家は萩における山鹿流兵岳の師範の家柄であって、兵書を父の末弟玉木文之進に学び、十一歳の時兵書を藩主の前で講じ、十九歳で家学の師範となった。 松陰はひとり家学の兵学のみならず広く諸学の長所を採り、一流一派に偏することなく、そのうえすこぶる刻苦勉励し、その学識は精博を究めた。 二十一歳、九州に旅して多くの志士と交わり、二十二歳、軍学稽古の命を受けて江戸に至り、多くの師友と接したが、中でも佐久間象山に師事したことは、その生涯に大きな影響を受けることとなった。 二十三歳、宮部鼎蔵とともに亡命して東北に遊歴し、水戸に至って、その学風に深い感銘を受けた。 亡命の罪によ、りいったん士籍から除かれたが、藩主の内命により、十年間諸国遊学の許可を与えられた。 嘉永六年六月、アメリカのペルリが浦賀に来て、和親通商を迫ったとき、憂国の情に堪えず、禁を犯して海外の情勢を探ろうとして、安政元年、米艦が再び来るに及び、同志金子貞吉とこれに投じた渡航せんとしたが成功せず、藩の獄に幽閉された。 翌年十二月出獄、杉家に禁錮の身となった。といっても形だけで、わりあいに自由が与えられていたので、松陰は、四年の十一月から松下村塾にあって、藩の子弟を教育することになった。 安政五年、大老井伊直弼が勅許を待たずして米国との通商条約を結び、尊皇攘夷派を弾圧するに及んで、上京中の老中間部詮勝暗殺の血盟を結んだが、藩によって投獄され、翌年幕命により江戸に護送され、翌六年十月二十七日、小塚原で処刑された。 時に享年三十歳。 門下に逸材が多く、その俊秀の多くは明治維新の大業達成に活躍した。 今、郷里の萩と東京の世田谷に松陰神社がある。 その著書には 『講孟余話』、『幽魂録』、『幽囚録』 をはじめ数種があり、『吉田松陰全集』 に収められている。
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1843～1890 |
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| 明治時代の宗教家・教育者。 名は襄、初めの名は七五三太夫といった。 天保十四年正月、上州 (群馬県) 安中藩板倉家の江戸一つ橋邸で生まれた。 父民治は藩の右筆であった。 襄は幼時から漢学を修め、さらに藩主の命により杉田玄白について蘭学を学んだ。 十六歳のとき海軍伝習所にはいり、志を世界に馳せるに至った。 元治元年、二十二歳、アメリカの汽船ベリソン号に投じて上海に密航し、転じてワイルド・ローバー号の給仕としてアメリカに渡った。 この船中でジョーセフの名を与えられ、略して襄と名のった。 渡米の後、ボストンのアマースト大学に入学、ついでアンドヴァー神学校に学んだ。 明治四年、岩倉具視が大使として訪米の折は、案内役として欧州に赴き、後帰米、神学校に復学、七年卒業。 日本にキリスト教主義の学校をつくるために帰国し、京都に同志社を創立、西欧文化の開発に多大の貢献をなした。 同志社を大学に昇格するために奔走中、病斃れ、二十三年一月二十三日、四十八歳で神奈川県大磯において没した。 その門下に徳富蘆花・浮田和民らがいる。 著書はなく、『新島襄書簡集』がある。 晩年の伝記は、徳富蘆花著 『黒い目と茶色の目』 に詳しい。
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704 ～754 |
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| 盛唐の詩人。 字はわからない。開元十一年 (723) の進士。司勲員外郎にいたった。 素行はややおさまらず、博打を好み、酒に耽った。 美人を選んで妻とし、気に入らないと追い出す、というようなことを三、四度もしたという。 詩は若い頃は軽薄な艶っぽい作風だったが、晩年は格調高い詩を作った。
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1868 ～1904 |
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| 明治時代の海軍軍人。 明治元年五月二十七日、大分県直入郡竹田町 （竹田市） に生まれた。 先祖は南朝の中心菊池氏から出て、父重武は豊後 (大分県) 岡藩士で、明治維新の際に勤皇の大義を唱え、国事に奔走した人でもある。 武夫はその次男。 明治十八年、海軍兵学校へ入学。二十二年卒業。 二十四年海軍少尉に任ぜられ、のち中尉に進んだ。 日清戦争に従軍して功があり、また露都に武官として滞在すること六年、その間に少佐となった。 帰途ひとり雪中橇に乗り、シベリアを過ぎ、東清鉄道 (北満鉄道) 沿線をきわめて帰った。 三十七年二月六日、佐世保において登艦、日露戦役の途に上り、同年三月二十七日、福井丸を指揮して旅順港閉鎖におもむいたが十分な効果がなかったので、さらに四艘を沈め、決死の部下七十余人をボートに移したが、杉野兵曹長の見えないのを知り、船内を捜索すること三度、見つけられなかったので、やむなくボートに立ってその場を去ろうとした時、敵弾にあたり、わずかに銅貨大の肉片を残してその身は四散した。 戦死したのは二十七日の明け方だった。年三十七. 戦死とともに中佐に昇進。二十七日付にて功三級金鵄勲章、旭日小綬章を授けられ、正四位を贈られた。 世に軍神として称えられ、東京神田の万世橋駅前に杉野兵曹長と併せて銅像 (現存せず) が作られ、郷里の竹田市に広瀬神社が建立された。 また、その壮烈な旅順閉塞の情景は小学校唱歌にまとめられ第二次大戦のころまでよく歌われた。
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845 ～ 903 |
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| 平安初期の政治家・学者・詩人。 世に菅公また菅丞相と称される。 清公の孫で是善の子。 家系は代々学者として立ち、道真は家学を伝えるとともに、当時の碩学島田忠臣について教えを受けた。 『梅城録』 によると、七歳の時、春宵快晴、梅と月と妍を競うのを見て、父は道真に詩を作らせた。道真はただちに次の詩をよみ、父を大いに感嘆させたという。
宇多天皇の寛平三年正月十三日、藤原閥の中心であった太政大臣藤原基経が五十六歳で没したとき、道真は讃岐守から抜擢されて蔵人頭に補せられ、その後急ピッチで出世し、八年後の醍醐天皇の昌泰二年には五十五歳で右大臣となった。 そして二十七歳の左大臣藤原時平と対立する形となったが、あまりにも異例の出世であったので、藤原一族やその一味からねたまれ、朝廷で孤立のやむなきに至った。 宇多天皇が在位九年で醍醐天皇に譲位されて仁和寺にはいられたとき、醍醐天皇はわずか十三歳だった。そのため時平と道真が天皇を補佐することになった。 時平は凡庸でないにしても年が若く、学識・経験ともに道真には及ばず、したがって道真の信任が特に厚かった。 天皇は宇多法皇と相談され、道真を太政大臣に任じ、政務を専決させようとした。 道真はそれを固く辞退したにもかかわらず、これが外部に漏れるところとなった。 道真の反対派は結束を堅め、道真が女婿にあたる皇弟斉世親王を奉じて天皇の廃位を謀っていると讒言したので、道真は窮地に陥り、延喜元年正月二十五日、にわかに九州の太宰権使師として左遷させられた。 この急変に、宇多法皇も大いに驚かれ、かつ惜しまれたが、藤原一族の力は強く、これを阻止することは出来なかった。 大宰府における道真の生活は謹慎そのももであったが、その後二年、配所にとどまったまま延喜三年二月二十五日没した。 享年五十九歳。 道真の冤罪は、その没後間もなく明らかとなり、延長二年、本官に追復して正二位を贈られ、一条天皇の正暦四年には左大臣正一位を贈られ、太政大臣に進められた。さらに、これよりさき、村上天皇の天歴中、京都の北野にその霊を祭る祠が建てられ、世に 「北野天神」 として、今に至るまで文学の神として崇敬を集めている。 主要著書として詩文集 『菅家文章』 十二巻、詩集 『菅家後集』 一巻があるが、ほかに 『類聚国史』 (佚) 、『三代実録』 (共編) 『新撰万葉集』 などもある。
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1758 ～ 1831 |
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| 江戸時代末期の。僧侶。 幼名栄蔵、後に文孝と改めた。字は曲。出家して良寛また大愚といった。 越後 (新潟県) の人。家は名主と神職を兼ね、父泰雄は以南と号して、越後の俳壇の雄であった。良寛はその長子。 成長していったんは名主見習の職をついだが、二十二歳から数年、備中玉島で国仙和尚に従って学んだ。 その後諸国を行脚し、帰国して西蒲郡国上の五合庵に入り、四十七歳から十三年間ここに住んだ。 その五合庵で泥棒に入られた時の句が 「ぬす人に 取り残されし 窓の月」 である。 五十九歳、体力の衰えを感じ、山麓の乙子神社の庵に移り住んだ。 「焚くほどは 風の持て来る 落ち葉かな」 がそのときの句であ。 六十九歳、島崎村の木村元右衛門 (屋号能登屋) の物置を改築して住んだ。 七十歳、二十九歳の貞信尼と恋歌を贈答、天保二年一月、七十四歳、貞信尼に看取られつつ没した。 死に至るまでの贈答の歌は 「蓮の露」 と題して貞信尼が書き残している。 「月は清し 風はさやけし いざともに 踊り明かさむ 老いの名残りに」 「霞立つ 長き春日を 子供らと 手まりつきつつ 今日も暮らしつ」 などの歌があり、万葉調にして一派をなした。書もまた、当時第一と称された。 漢詩集には、僧道雲編 『良寛道人遺稿』、稿本良寛詩集 『草堂集』 などがある。 良寛ほど逸話に富む人物も珍しい、良寛の書を得ようとする者は、良寛が甚だ毬戯を好んだので、まず繍毬を贈る。すると良寛は喜んで筆を執り、他は珠玉といえども顧みることがなかったという。 また草書で天下に名のあった江戸の儒者亀田鵬斎が北越に遊び、良寛の書を見て大いに驚き、その居を訪ねたところ、良寛は坐禅中であり、鵬斎もまたその側に坐禅すること半日、良寛も鵬斎の俗人でないことを知って、ともに談笑して時の移るのを忘れ、後に鵬斎が 「われ草法に於いてまた一格を長ず。」 といったことなどもよく知られている。
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1583 ～ 1657 |
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江戸時代初期の儒者。
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1787 ～ 1867 |
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江戸時代末期の儒者。
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1799 ～ 1881 |
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幕末明治の漢詩人。
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1800 ～ 1860 |
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水戸藩九代の藩主。
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1822 ～ 1860 |
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幕末の勤皇家。名は一徳。監物は通称。号は文理。
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