日本史ファンには人気の高い戦国時代ですが、各地の大名同士の戦いは歴史的にはさほど重要なものとはいえません。特筆すべき人物は、織田信長と豊臣秀吉、徳川家康の三人です。
この時代は、古い価値観や身分制度が大きく崩れ、たとえ身分が下の者であっても、実力次第でのし上れるという、日本史上に類を見ない「戦国」の時代となりました。
もう一つ、戦国時代の注目すべきことは、日本人が初めてヨーロッパの文化に接したことです。それまで異国と言えば、朝鮮半島と中国大陸の国々を意味していましたが、それらとはまったく異なる文化が、日本人の思想と行動に新しい風を吹き込んだのです。
そして小さな島国から、約九百年ぶりに海外に派兵し、世界進出を試みた時代でもあります。
しかし日本人は結局その道を断念し、最終的にはヨーロッパの文化と深く交わることを拒みました。そして江戸時代のいわゆる「鎖国」政策により、日本は激動する世界に背を向けて、太平の世で、独特の文化を築いていくことになるのです。
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