後 の 日 に |
つれなかりせばなかなかに
そらにわすれて過ぎなまし そもいくそたびしぼりけむ たもとせつなしかのたもと せつなさわれにつもるとも 沾ぢてはかわくものなれば
昨日のたもとにこと問はむ ぬるるやいかにけふもなほ | |
ま
た 或 る と き ひ と に 與 へ て |
しんじつふかき戀ならば わかれのこころな忘れそ、
おつるなみだはただ秘めよ、 ほのかなるこそ吐息なれ、 數ならぬ身といふなかれ、 ひるはひるゆゑわするとも ねざめの夜半におもへかし |
| |
琴 う た |
かくまでふかき戀慕とは わが身ながらに知らざりき、
日をふるままにいやまさる みれんを何にかよはせむ。 空ふくかぜにつてばやと ふみ書きみれどかひなしや、 むかしのうたをさながらに
よしなき野べにおつるとぞ。 | |