「── 愛とは孤独なものに運命づけられているのであるか。
── 三年の間、わたしたちの愛はつづいた。けれども築き上げられたものは何もなかった。これからも何もないままにつづけられるであろう。未来永劫にと彼は言う。その空疎さにわたしは、自分の指の間から砂がこぼれ落ちるような虚しさを味わう。絶望が、夜ごとのわたしの夢を鞭うつ。かれども、わたしは勇気を満たねばならない。彼を信じて生きねばならない。孤独な愛をまもり通さねばならない。孤独を自分に言い聞かせ、その中に喜びを持たねばならない。自身の築いたはかないものに、自分でとりすがって生きねばならない。この愛は、いつもわたしに犠牲を要求する。そのことにわたしは殉教的な歓喜さえ持たねばならない。未来永劫に、と彼は言う。わたしの生きる限り、彼はそれをつづけさせるのであろうか」 |
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